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■プロフィール 吉田 太一 氏 キーパーズ有限会社 代表取締役 1964年大阪生まれ。大阪市立桜宮高校の体育科の第一期生。 キーパーズホームページ:http://www.keepers.jp/ 書籍案内サイト:http://keepers.co.jp/books/ (聴き手:ビズデザイン株式会社 取締役 友田 景) (掲載日:2014/4/1) |
◆「変わっている」と言われたい (友田) 遺品整理仕事の中から見えてくる「孤立死」について問題意識を持たれ、「おひとりさまでもだいじょうぶノート」を希望者に配布されたり、「孤立死」について知ってもらうためのアニメーションDVDを作成されたり、CSRとして素晴らしい活動をされていると思います。 (吉田) 僕がやっている仕事をよく社会貢献と言う方がいますが、そう意識してやっていることではありません。あくまでもビジネスとしてとらえていて、お金を稼いで家族と従業員の生活が出来て、ちょっとでも安心するために売上を上げたいとは考えていますが、特に大きな野望は有りません。 (友田) 社会貢献という意味だけでなく、日本初の遺品整理会社としてビジネスも順調に発展されているようですが、社長なりの秘訣が何かあるのでしょうか。 |
(吉田) 日本初の仕事をしている社長とか、全国展開しているとか、テレビに出ているとか、本を書いているとか、そういう一般的なイメージでの見方が僕に対してありますが、直接接した人に聞くと、僕はイメージする社長像に当てはまらないそうです。「ちょっと変わっている」「たたき上げでやってきた社長なのに、あまりがつがつしていない」とか言われます。そのスタイルそのものが他の人から見たらちょっと特徴的な所があったりするらしいです。だけどそれは僕の望むところで、イメージ通りだったり、他の人と一緒と言われるのが絶対に嫌なんです。あえて意図的に変に、変に、動いているわけではないですが、変わっていると思われているのはむしろ嬉しいです。 |
秘訣という程のことではないですが、サービス業は自分に合っていると思います。 (友田) 今日初めてお会いして変わっておられるのかどうかはまだよく分かりませんが(笑)、遺品整理業を始められたという事は確かに普通の人の発想ではないですね。
◆「相手が何を求めているか」を見極める (吉田) 僕の考え方は「困った時には相談してはいけない」と言うものです。相談をすると自分の成長が止まってしまう。それをしてしまうと、考え工夫する能力はが育たないですし、同時に自分の限界点を超えてしまい後戻りできなくなる可能性があります。 (友田) 「困った時には相談しない」「常に二者択一の選択をする」とは大きなポリシーですね。しかし常に一人で考えて決めて行く中で、不安がつきまといますよね。。 (吉田) 極端な言い方をすれば、商売は「相手の心理」が分かれば何をやってもうまくいきます。創業時、なぜそういう考えになったのかは分かりませんが、「人の気持ちさえ読めればどこでも商売は成功するはずだ。相手が次に何が欲しいのか、6割でも見抜いてやれば商売としては成功する」と思ったのです (友田) そのように人を観察することが営業戦略となっていくのですか。 | |
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(吉田) 営業というと、みんな同じような顔して、同じようなものを持って来て、「なんとかよろしくお願いします」とセールスに訪問するイメージをお持ちだと思いますが、それでは単なるお願いです。 |
(友田) 社長の考えが漸く僕の中で腹落ちしてきました。最初なぜ板前さんが遺品整理屋さんをやっているのだろと思っていました。シンプルに二つに分けて考える、選択肢の中で、相手を観察して得た情報をもとに判断をしていく。「気が利く」という表現をされていましたが、要は「相手の困っていることは何なのか」と言う事を常に考えておられるのですね。 (吉田) そう考えて遺品整理の仕事ではメディアへの営業を行い、その結果、現状ではお客様が来てくれる、非常に有難い、理想的な状態になっています。それをどうやって維持していくかがこれからの課題ですが、ちょっと損しても妥協しない、ブレない、スタイルは変えない、ことだと考えています。
◆求人で困ったからブログを書いてみたら・・・ (友田) 話しは変わりますが、本を沢山出版されていますが、どういった経緯で出すことになったのですか。 (吉田) そもそも本を出そうと思っていたわけではなく、ブログを書いていたのがヒットして出版社からお誘いの声が掛かりました。元々ブログを書くきっかけとなったのは、求人で困っていたからなのです。当時、遺品整理の会社に勤めたいと思う人は世の中に1人もいません。だからいくら求人にお金をかけても来ないし、困っている時、「ブログ」というのがあるのを思い出して書いてみたのです。内容は実際に体験した出来事です、日々こういうことがあった、ああいうことがあった、この時にこう考えればよかったのではないでしょうかと自分の考えも少し加えるという内容です。少し大阪弁を交じえて書いてみると我ながら結構面白い。これは人が見ても絶対面白いと思うに違いない、と思いました(笑)。 (友田) 今日のお話しを伺って、吉田社長に講演をお願いするならビジネスに関することも面白いじゃないかと思えてきました。 |
(吉田) 今はビジネスの講演はまだ少ないですが。行政や社会福祉関係の団体からの講演が多いですね。講演内容は「社会から孤立しないために」や「遺品整理の現場から見える生きざま」などのような孤立死防止で有ったり、コミュニティの重要性を話す内容や、学生を対象に「自立すること」とか、「生きること」がテーマだったり、私が自己破産から自分一人でやってきた実績が興味深いので、求職者や再就職支援を受けている無職の子達に対してサクセスストーリを聞かせ、ケツを叩く講演などまであります。最近は年間に60回ぐらい全国から呼ばれてお話に伺っています。 |
(友田) 本日は色々と面白い話しを聞かせていただき、どうもありがとうございました。
※ご講演等のお問い合わせ、吉田太一氏へのコンタクトは、弊社までご連絡下さい。 |