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世裕名人対談 第13回 SoooooS プロデューサー 中間大維氏  中間大維氏 写真

 社会貢献型商品(ソーシャルプロダクツ)の専門情報ポータルサイト『SoooooS(スース)』事業責任者。

 1975年鹿児島県生まれ。大学時代に初めて訪れたメキシコ・グァテマラで旅の魅力に目覚め、現在までに中南米やアフリカを中心に30カ国を訪問。そこで目の当たりにした貧困問題や環境問題などの社会的課題に対して、自分なりに取り組むことを人生のテーマの一つとする。

 大学院終了後、社会や生活者について考える仕事に就きたいと消費財メーカーにマーケティング職で入社。その後、起業を経て、現在の所属先である創業115年のマーケティングエージェンシー「株式会社ヤラカス舘」の社内ベンチャー事業として『SoooooS』を立ち上げる。株式会社ヤラカス舘の事業・戦略開発ディレクターを兼務。専門はマーケティング戦略、事業開発。

 

社会貢献型商品(ソーシャルプロダクツ)の総合情報サイト『Sooooos』 http://sooooos.com/

株式会社ヤラカス舘 http://www.yrk.co.jp/

(聴き手:ビズデザイン株式会社 取締役 友田 景)

(掲載日:2011/6/7)

 

◆日本初の社会貢献型商品の専門情報サイトオープン!!

(友田) 『SoooooS』ベータ版のサイトオープンから1年が経過したとのことですが、『SoooooS』について教えてください。

(中間) 『SoooooS』は、社会的課題(環境問題、貧困問題など)の解決や緩和につながる商品やサービスである『ソーシャルプロダクツ』の情報を集めた日本初、日本最大級の専門情報ポータルサイトです。エコや寄付つき商品など、気軽な社会貢献につながるソーシャルプロダクツ情報の検索、発信、共有が可能な場になります。

(友田) 中間さんが『SoooooS』の事業を立ち上げようと思われたのはどうしてでしょうか。

(中間) 各種リサーチ(注:震災前のデータ)によれば、60%前後の人が「何らかの形で社会貢献やよりよい社会づくりに関わりたい」と考えている一方で、その手段としての「ボランティア」や「寄付」を積極的に考えている人は10~15%程度にとどまっています。最も多いのは「日常生活の延長線上で、何かできることをしたい」と考えている60%を超える人々です。

 そうした人たちに必要なものは何かと考えました。ソーシャルプロダクツ自体は以前からあり、最近はその数も日々増えてきているものの、情報は個別にバラバラと発信されていて比較検討が難しく、集約された情報はありませんでした。そこで考えたのが、様々なソーシャルプロダクツの情報を一同に集めた情報ポータルサイトがあれば、多くの人の思いに応えることができるのではないかということでした。

 人は、物理的な欲求が満たされてくると、心理的な欲求を満たすことを求めるようになってきます。心理的な満足を提供できるのは、突き詰めていけば、単なる商品スペックやブランド名ではなく、その商品・ブランドが持つ独自の世界観であり、その企業の姿勢であると考えています。企業の姿勢や商品やブランドの世界観に共感をしたときに心理的な欲求が満たされるのだと思います。そこにソーシャルプロダクツとその情報事業の可能性を感じたのです。もちろん、自分自身が以前から社会的な事業に取り組みたいと思っていたことも大きかったのですが。

 

◆ビジネスの力で社会問題を解決する。

(友田) 確かに成熟社会のマーケティングを突き詰めていくとそうなっていくのだと思います。まさしく、フィリップ・コトラーが提唱している「マーケティング3.0」の考えですね。中間さんが社会的な事業に取り組みたいと思った背景にはどのようなお考えがあったのですか。

(中間) 学生時に中南米やアフリカ、東南アジアなどの国々を旅して回っていたのですが、行く先々で貧困や環境破壊などのさまざまな社会的課題を目の当たりにし、そうした問題の解決のために自分も何かしたいと考えるようになりました。NGOや国際機関、研究者、色々な選択肢を考えましたが、最後に残ったのはビジネスでした。世界中どんな場所に行っても市場経済が隅々まで浸透しており、「ビジネスやマーケットの持つ力はとても大きい。その力を上手く活用することが、社会的課題に対しても有効だ」と思ったのです。

 その後、消費財メーカーでのブランドマーケティング、オーガニックコットンを使ったアパレルビジネスの起業を経て、現在の会社であるヤラカス舘に入り、『SoooooS』事業を立ち上げました。ちなみにヤラカス舘には、名前の由来でもある「人のやらんことをやりなはれ」の精神があり、事業を立ち上げるにはもってこいの環境でした(笑)。

中間大維氏 写真1

(友田) 大阪の企業らしいですね。僕は大阪人ですが、とっても大阪のDNAを感じます。「やってみたらええねん!」という自由な社風があるんですね。マーケティング会社の本業として社会貢献事業に真正面から取り組んでおられることが何より素晴らしいと思います。実際にサービスが立ち上がって、『SoooooS』のユーザーはどのような人達ですか。

(中間) 買い物や消費に関心がありながら、社会的意識も高いユーザーがその中心です。他のソーシャル系サイトでは、“特に”社会的意識の高い熱心なユーザーが多いようなのですが、『SoooooS』のユーザーはそれよりは一般的な人です。私達がアプローチしたい人も「普通なんだけれど、心のどこかで、何かちょっと社会的にいいこと(ソーシャルグッドなこと)がしたいと思っている人たち」です。

 昔から意識が高く、社会的な活動に熱心な人は一定程度いましたが、その人達だけではなかなか世の中は変わりません。一人ひとりの力は小さくても、多くの人が集まることでそれが大きな力となり、社会は変えていけると思うのです。

中間大維氏 写真2

(友田) そうですね、利用者が共感して多くの人へ広がっていくことが重要だと思います。NPOを含め社会的なものは、インフラがあっても共感がないと広まっていかないのだと思います。優秀なリーダーも必要ですが、その後ろに多くのフォロワーがいることは広がりをつくるうえでは、重要ですよね。中間さんが『SoooooS』を通じて実現したい社会とはどのようなものでしょうか。

(中間) 一言で言えば、持続可能な社会です。ただ、いきなりそこに行くのは難しい。まずは今より少しだけでも、社会に、人に、優しい選択(消費)をする。その柱がソーシャルプロダクツであり、その情報コミュニケーションの場を『SoooooS』が提供するのが理想です。そのためには『SoooooS』の使い勝手や使う楽しさ・魅力をもっと高めなければならないと思っています。

(友田) 確かにユーザーにとって、利便性はその行動を大きく左右しますよね。

(中間) 『SoooooS』もそうですが、多くのソーシャルなサイトは社会性ありきで、ユーザーにとっての使い勝手や楽しさが十分ではありません。『SoooooS』としては、先ほど申し上げた理想の姿を実現していくために、もっとサイト自体を分かりやすくしたり、Facebookなどのソーシャルメディアと連携してユーザーの見える化やユーザー間コミュニケーションを促進していく必要があると考えています。その第1弾と言うわけではありませんが、マンガを使ったチュートリアルページの公開や、他のSNSのIDでのログイン対応も近々で予定しています。「他にもこんな機能を付けてほしい」とか、「こういうコンテンツがあるともっと楽しく使える」というようなご意見やアイデアがあれば、サイトの問い合わせ欄よりぜひお教えください。できる限り対応させていただきますので。

 

◆仕事を通じて、東北地方の継続的な支援をする!

(友田) 震災の影響で日本人の意識が変わったと一部では言われていますが、『SoooooS』のユーザーに変化はありましたでしょうか。

(中間) サイトを訪れるユーザー数は、震災直後から4日間ほどは落ち込みましたが、その後徐々に増えて3月、4月と過去最高を更新しました。確かに社会的な意識は高まっているように感じます。

 震災後、これまでにない数の方が寄付やボランティアに関わったと言われていますが、そうしたことを長期に渡って継続するにはハードルがあるのも事実です。私も現地にボランティアに行きましたが、仕事のこともあり、継続することの難しさを感じています。様々な制約がある中で、気軽に、継続的にできる支援としてソーシャルプロダクツ(復興支援商品)が注目されているのではないでしょうか。

(友田) 確かに経済を止めてはいけないと思います。自粛では何も生まれないので、東北産の産品や寄付付き商品を積極的に購入するなどの支援行動が自然に継続する環境を作らないといけないですね。被災地支援について、『SoooooS』での取組について教えて下さい。

(中間) 『SoooooS』では、ソーシャルプロダクツを通じて復興を継続的に支援するとの考えからTOPページで「復興支援商品特集」(注:当面継続予定)を組んでいます。震災直後から始めた企画ですがアクセスも多く、生活者がソーシャルプロダクツに高い関心を持っているのが伺えます。皆さまのほうでも、復興支援の商品やサービス、イベント等に関する情報がありましたらぜひ『SoooooS』事務局までお知らせください。

(写真)中間大維氏と友田景

 復興へはこれから先、膨大な費用と時間、労力がかかります。多くのユーザーとともに、継続して東北の復興を支えていきたいと思います。

      

(友田) 『SoooooS』には、継続的な取組により、ソーシャルプロダクツを持たない企業は市場から選ばれないというようなところまで、共感を広げてもらいたいと思います。また、僕自身も改めて共感が広がる仕組みについて考えるキッカケを頂きました。本日はありがとうございました。

 

※『ソーシャルプロダクツ』についてご相談など中間大維さんへのコンタクトは、弊社までご連絡下さい。

 

  

  

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