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世遊名人対談 いろは出版 きむ氏 いろは出版 きむ氏 写真

 1980年福井県小浜市生まれ。京都芸術短期大学(現京都造形芸術大学)に進学し、詩と写真を合わせたポストカードを京都の路上で売り始める。2000年にきむカンパニーを、2003年にはいろは出版株式会社を設立。きむ作品集累計100万部突破。また日本ドリームプロジェクトを立ち上げ、『1歳から100歳の夢』をはじめとする夢の本シリーズを出版。

いろは出版株式会社  http://hello-iroha.com/

日本ドリームプロジェクト http://dream-project.info/

(聴き手:ビズデザイン株式会社 取締役 友田 景)

(掲載日:2011/2/15)

◆夢で社会を笑顔にする。そのために会社がある。

(友田) 御社が発行されている『市長の夢』を拝読しました。「若者×政治」は僕のひとつのテーマなので、非常に共感が持てました。その本を読んで、きむさんが『日本ドリームプロジェクト』をされているのを知りました。非常に面白い企画ですよね。

(きむ) 僕は、日本中の人が夢を意識することで日本が元気になると思うんです。夢に挑戦することで日本をもっとおもしろくしたい。元気にしたいんです。だから、日本ドリームプロジェクト(ドリプロ)は、夢を通して人々に勇気や元気を持ってもらいたい。夢に向かって生きることで人生はもっともっと楽しくなると伝えていきたいと思って始めました。僕らの住む今の社会には、あまりにも夢を考えるきっかけが少ない。夢を忘れる現実が多いと思うんです。だからこそ、夢を集めさせてもらったり、本をつくったりして、夢のきっかけを生み出して行きたいと思っています。夢の本は『1歳から100歳の夢』をはじめとして、これまでに10冊出さしてもらいました。

(友田) なるほど、そうなんですね。御社の基本理念の中に、「愛・夢・笑顔を世界中の人が持てる社会づくりに貢献する。」とありますが、それがそのまま実行されていますね。

(きむ) そうなんです。うちの事業は全てそれにつながっていて、今の社会を見てここがさみしいなとか、かなしいな、と感じたことで、何ができるかとかも考えます。そのひとつとして形になっているのが、『WORLD1』という似顔絵事業です。美術系の学校を卒業した人は絵を描く力があるのに就職率2割なんですよ。学費がめっちゃ高くて、せっかく絵を描く才能や能力があるのに。僕が路上でポストカードを売ってた時に後輩がとなりで、似顔絵を描いて売っていて、すごく喜ばれていた。だからこれをちゃんとした事業にしようと思ったんです。相手に喜んでもらう一番の絵を描くことでご飯を食べて、そのお金で自分の好きな絵を描く生活ができたらいいと思っています。

 現在は、10人くらい似顔絵を描く作家がいます。似顔絵作家として、結婚式のウエルカムボードなどの注文が多いですね。ウエルカムボードって、結婚式が終わると押し入れにしまわれることが多いと思うんですけど、結婚後も部屋に飾ってもらって、夫婦喧嘩をしたときにそれを見て仲直りしてもらえたらうれしいと思いませんか。

(友田) それは、素敵ですね。確かに作家もハッピーだし、お客さんも笑顔になっていますね。描かれている絵も笑顔ですしね。事業の中で社会問題を解決し、社会貢献をするCSRのお手本だと思います。

(きむ) CSRを意識しているわけではありませんが、もともとそんな方針で会社を経営しているので、周囲からは「NPOにしたらいいやん」ってよく言われます。それを聞くと「株式会社でやって何があかんねん」と思うんです。「社会貢献=NPO」みたいな定義を変えたいし、それを当たり前の社会にしたい。それをやりとおすことが将来的に新しい考え方になると思っています。

 友田さんの会社もそうだと思いますが、会社でもこれから個の集団なのかなと思っています。人に仕事がついてちゃんとついていて、仲間が多い方が楽しいし、色んなことができるから会社に入っているとう時代になるし、既になってきている。自分達もそれで組織を作っています。だからこそ社会を元気にできるオモロイことができるんだと思います。

いろは出版 きむ氏 & 友田景

◆自分が死んでも会社が残る。会社にDNAを残して、存続する。

(友田) なるほど。確かにひとりひとりの強みを活かした組織づくりをすると面白いことができますよね。会社を経営していて、組織を動かしているという点ですが、元々きむさんはアーティストですよね。そういう人が大勢の社員を率いている会社を経営しているのはあまりイメージできないのですが。個人のマネジメント会社などはよくあるでしょうけど。

(きむ) アーティストの定義はわからんけど、周囲から僕のことは「詩人」と認識されているようです。詩と写真のイメージが強いんだと思います。

 会社をやっていることについては、確かにマネジメントは得意じゃないです(笑)。社員に「あれやったんか?」とか「これやったんか?」とか言いたくない。でも、それも社長のあり方次第じゃないかな。社長は新しいビジネスの可能性を見つけるのが一番ではないかと思っています。

いろは出版 きむ氏 写真

(友田) 確かにそうですが、社員が20人ぐらいまでのときは、そう言ってられないと思いますが。

(きむ) 確かにそれはありますね。最近になって、ようやく自分の時間が取れるようになりました。でも会社は僕のやりたいことのひとつだから。ひとつの夢だから。詩や本は、自分が死んだら書けるものではありませんが、会社は残る。それが続いていくのが一番いいと思っています。日本社会を元気にできるオモロイものをずっと生み出し続けること、そんな会社をつくることが一番の夢。自分の作品に限らず、何でもいいんですよ。

 会社は楽しいですよ。本ができる瞬間よりも、これまでできなかったことができるようになったときの社員の顔や、お客さんからの手紙で泣いている社員の顔をみたときとか、会社つくって良かったと一番思う瞬間です。多分僕は、さみしがり屋なんですよ(笑)。一人で喜ぶのは嬉しくない。みんなで喜べるのが会社のよさです。これからも会社は大きくしていきたい。志を一緒にできる仲間を増やしていきたい。どんどん大きくしてけると思うし、日本社会を見ていたら、もっとオモロクしていけると可能性を感じます。

 

◆20代でたくさん失敗して、オモロイをみつける。

(友田) なるほど、自分の作った会社が残って、そこがドンドンと社会を元気にしていけるのは素敵な仕掛けですね。きむさんは、オモロイかどうかっていうことをよく言いますが、きむさんや会社にとってオモロイの定義や基準があるんですか。

いろは出版 最初の本

(きむ) オモロイの基準は、新しいこと、今まで自分が見たことや考えたことのなかったこと。オモロイかオモロクないかが、判断基準になっています。自分のそして会社のモノサシです。知らない間に会社の中でもそういうイズムになっています。この前、僕がオモロイと思って提案したことが、社員はオモロクないって拒否されたことがありました(笑)。

 二十歳で会社をつくったので、オモロイことをしようと思って、今では考えられないような失敗をたくさんしてきました。若いうちに失敗しておいたことが、ちゃんと今、生きていています。例えば、最初に出した本の初版は、「想いを伝えるためには太く、重たくなければならない」と思って、こんなにしたんです(右写真参照)。紙をわざと厚紙を貼り合わせて(笑)。「お金のことなんか考えたらあかんねん」なんて言ってね。だからコスト高で、売れても全然儲かれへん。しまいには、地元の友達から「本屋でみたけど大きくて重いから買わなかった」と言われたんですよ。今ではこんなに小さく細くなった(笑)。

 他にも一杯そういう失敗がありました。好きなことをしているからこそ、ちゃんとしたもんを時間をかけて作る、とか。楽をしようとしない。今は、効率化すべきこととちゃんと残すべきことがわけられていますが、最初から効率化してたらいいとこまでなくなっていたと思います。

 

◆心の呼吸をする『いろはブレス』オープン!

(友田) 同じ漢字でも、「楽しい」と「楽」は全然意味が違うと思います。歩いていても平坦な道は、楽だけど楽しくない。アップダウンのある道は、しんどいけど楽しい。しんどいから嫌になったり、失敗したり、と色々あると思います。失敗しないと成長しない。でも失敗したくないからチャレンジはしない。そんなところで堂々巡りをしている人も多いと思います。

(きむ) 世の中が息苦しい」って声をよく聞くんです。僕やうちの社員は息苦しくない。基本的に楽しくやっています。でも周りの子は苦しそうで、「会社が楽しくない」ってよく聞きます。もっとみんなが心を健やかに生きられたらいいなと思って、『いろはブレス』ってのをはじめます。「心の呼吸をしませんか」っていうサイトです。そこで色んなコンテンツをつくって、2月15日が創立10周年なので、そこからプレオープンします。

 『心の呼吸』とは何かというと、『息』っていう漢字は、「自分の心」と書きますよね。だから自分の心を知ることが大事じゃないかと思うんです。僕たちは職業柄、新しい人に出会うことが多いです。そういう時に『聞く耳』を持って出かけるんです(右写真参照)。その出会いでもっと自分を知れるし、可能性も見えてくるんです。自分自身を知っていくのは人生で楽しいことです。そうやって年齢を重ねていきたいと思っています。

 去年と同じことやっていたら体だけ年を重ねて心はそのまま。成長してなかったらショックがでかいですよ。詩人風にいうと「人生とは自分を知る旅である」と思うんです。だから自分を知って、自ら成長できる、与えられるのを待つのではなく自分から探しにいけるような考え方をもって生きていく人が増えたらいいなぁと思うし、そういう人たちが生き活きするきっかけを増やしていきたいです。2月15日プレオープン、5月9日(呼吸の日)に正式にオープンしますので、是非見て下さい。

『聞く耳』持っていきます!

(友田) 心の呼吸ですか。いいですね。確かにゆっくりと深呼吸すると自分の体を感じますものね。僕も1日1度は、意識的に深呼吸をして、自分自身を感じ、確かめたいと思います。本日はありがとうございました。

 



※「夢の授業をしてもらい」など、きむさんへの講演等のご依頼があれば、弊社までご連絡下さい。

 

◆きむさんからのご案内

 2011年3月4日に新たなきむ作品集、『あなたに逢えて』を出版させてもらいます!

 今年はきむカンパニー10周年という節目の年であり、この大事な年に新たな一冊をつくろうと思って今日までの人生を振り返ってみると、あらためて、いろんな人のおかげで今の僕がいるんやなあって素直に思いました。そして、10周年を記念して出版する本は「今日まで出逢えた人たちに感謝する本にしよう!」と決めて、つくりました。

 僕の人生にとっても、今ここにいる自分を素直に詰め込めれた、思い出深い一冊になり、新たな一冊にもなりました。ぜひ見てみてください!

あなたに逢えてあなたに逢えて

あなたに逢えて(愛蔵版)あなたに逢えて(愛蔵版)

 

  

  

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