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小野弘貴 小野ヒロキ写真トップ

 1991年4月株式会社第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行し、個人・法人・新規取引など営業業務すべてを経験し、「営業のいろは」を身につける。2000年2月プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社(現IBM ビジネスコンサルティングサービス株式会社)に入社。戦略コンサルタントとして、企業変革におけるプロジェクト推進、ポストM&Aにおけるチェンジマネジメント、コミュニケーションマネジメントおよび組織設計・導入を行う。2004年3月「伝わる」コミュニケーションを主軸としたコンサルティングをクライアントに提供するため、株式会社グランデコンサルティングを設立。共著に「図解プロジェクトマネジメント」東洋経済新報社(2003年)がある。MBA取得(1999年)。

株式会社グランデコンサルティング http://grandeconsulting.jp/

(聴き手:ビズデザイン株式会社 取締役・友田 景)

(掲載日:2010/7/14)

◆ふしだらな2股の起業だった。

(友田) 小野さんの経歴を拝見するとMBAを取得して、外資系のコンサルティング会社で働いて、独立するというのは、絵に描いたようなストーリーだと思うのですが、その辺りの経緯を教えて下さい。

(小野) 銀行で様々な企業とお付き合いをさせてもらいましたが、資金面だけでなく、もっと実質的なサポートをできないかと感じていました。そこで、MBAを取得し、コンサルティング会社に入ったわけです。はじめは充実していましたね。MBAで学んだことを活かし、目新しいメソッドをクライアントに提案して、成果も出る。自分のポジションも上がって、プロジェクトマネジャーになる。しかし、続けていると徐々に違和感が大きくなってきました。というのもコンサルティング内容は、アメリカの本国で開発され、実践されたメソッドを日本にそのまま導入していく。アメリカの銀行で成功したから日本の銀行でもやる。確かにそのソリューションは最先端で、正しいものだったはずなのに、長期的にみるとなかなか成果が出ないのは何故だ???と首を傾げることが増えてきました。

小野ヒロキ写真1

(友田) それでスパッと独立したわけですか。

(小野) 残念ながらそんなカッコイイものじゃないんです。実は会社を設立したもののなかなか踏ん切りがつかず、3年ぐらいは前の会社に籍を置いたままの2重生活でした(笑)。自分の中で、まだしっかりとビジネスの青写真を描ききれていなかったんですね。空いた時間を見つけてはコソコソとやっていたわけです。しかし、新卒採用の面接官をしたときにある就職活動生がよく情報収集していたのか「御社に所属しながら小野さんは別会社がありますよね。御社はいいですね。」と質問された時は真っ青になりました(笑)。

(友田) それで踏ん切りがついたのでしょうか。

(小野) それもありますが、あるとき新橋のサラリーマンの出勤姿を見て思ったのです。何で彼らは背中を丸め、下を向いて歩いているんだろうかと。ワークライフ・バランスと言って、平日の仕事は我慢して週末こそ自分自身を取り戻そう!とおかしな社会になり始めている…。また、これまでのコンサルティングの経験から会社の想い、つまり企業理念や方針がなかなか社員に伝わらないのを実感していました。浸透しないから彼らはやらされ仕事になってしまい、面白くない、あきらめてしまっている。モノではなくコトとして伝えるストーリーテリングこそが人を共感させられると思い、組織の考えや想いを浸透させる方法として『漫画力』という商品を作りました。

 

◆『村』こそ日本のDNA。

(友田) なるほど。『漫画力』というのは非常に斬新な切り口ですよね。その後の新しい御社の商品が『感動村』や『実現村』と商品名に『村』がついているのは、なぜでしょうか。

(小野) 昔の日本の社会は、お節介な社会だったと思います。料理を作りすぎたから隣の家におそそわけをする、近所の子どもを平気で叱るなど、勝手に相手の領域に踏み込んでいくわけです。だからコミュニケーションの量も多かったと思います。しかし、今の日本社会は欧米の考え方が入ってきたためか、ほとんどが効率化優先で、仕事でも個々の領域が決められていて、自分のこと以外に口出しなどをすることは少なくなっていますよね。でも、それではコスト削減になっても新しいものは生まれてこないんですね。新しいものが生まれてこないからだんだん面白くない社会になっているのだと考えています。新しいことを生み出す面白い社会にするためには、お節介に相手の領域に踏み込んで、議論をすることによって、創発され、イノベーションが起きるんだと思います。だからこそ昔の『村』社会を復活させることが、次のイノベーションを生み出す日本人のDNAだと思い、商品にネーミングしています。

小野ヒロキ写真2

(友田) なるほど、そうですね。物は擦れあうからこそ熱を発するんですね。そこで化学反応が起きているわけですよね。確かに効率化・分業化のコミュニケーションレスでは、熱は発しないので、化学反応は起きないですよね。相手の領域に踏み込んで、議論をするから白熱する。それによって、ケミストリーが起こしていきたいですね。少し質問が変わりますが、そこから御社がCSRの領域に踏み込んできた理由は何でしょうか。

(小野)  先述のとおり弊社は、企業の想いをストーリーにして創り上げ、そして漫画を使って、社員や株主などのステイクホルダーに浸透させていくことをやっています。その中で、クライアントからCSRに関する質問をお受けすることが出てきました。それまでは特段注目していなかったのですが、改めてCSRについて考えてみるとCSRは企業の思いが詰まったものであるはずだと気付いたのです。

 なぜなら企業が社会的責任を果たしていくためには、企業理念に立ち返る必要があるはず。企業が何を目指して、立ち上がったのか、そして行動しているのかがそこにあるからです。だからこそCSRは取ってつけたモノではなく、事業の中心に据えてしっかりと取り組むべきだと考えます。それがしっかりとステイクホルダーに浸透するような商品を作りたいと考えていました。そんな時にビズデザインさんとの出会いがあり、CSRに関する共感を覚えました。お互いの領域に踏み込みあって一緒にやっていきたいなと思いました。

◆『日本発、世界着』の企業や事業を。そのためにワクワクする人を増やしたい。

(友田) ありがとうございます。是非、一緒に素晴らしいCSR活動のお手伝いができるように取り組んでいきましょう。最後に小野さんの今後の展望を教えて下さい。

(小野) 企業は組織であり、組織は人が源泉。人を本当に動かすのは仕組みではなく想い。そのノウハウを私は持っていると自負しています。それを事業として、自分が生活できるくらいにほどほどやっておくのは罪深いと感じています。これを広めて、多くのクライアント企業に成長してもらうことが使命だと感じています。今や世界をリードしているのは、アップルやマクドナルド、コカ・コーラ―などアメリカ発のものばかり。私の前職のコンサルティング会社でもアメリカ発でしたし(笑)。日本のお節介な『村』を復活させることで、イノベーションを起こして『日本発、世界着』の企業や事業を生み出していきたいですね。そのためには、ワクワクする人を一人でも増やしていきたい。ワクワクしないとイノベーションは起きないと思っています。みんながワクワクする社会が理想ですね。そのために突っ走りますよ。

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(友田) ワクワクが溢れる社会というのは、輝いていますよね。僕もその一人になれるように突っ走ります。本日はありがとうございました。

【編集後記】 この対談を契機として、弊社ビズデザイン(株)と(株)グランデコンサルティングは、CSRコンサルティング・パッケージを共同で企画開発することになりました。企業理念の浸透をステイクホルダーに促す事業の柱としてのCSR活動をサポートしてまいりたいと思っています。

 

 

  

  

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