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 横浜国立大学卒業後、デザイン会社に入社。2004年健康食品の開発を手掛けるベンチャー企業に転職。その後、妻の妊娠を機に起業を決意。派遣社員を経て、2006年9月創業。2007年9月株式会社ビズアップを設立。 弊社ビズデザイン株式会社のロゴも制作するなど現在、ロゴ作成受注実績3545社(2010年5月現在)のナンバーワンロゴ作成専門サイトとして『ビズアップ』が、NHKゆうどきネットワークにて紹介されるなど、注目度急上昇中。 なお、弊社(ビズデザイン株式会社)のロゴマークも株式会社ビズアップの作品である。

株式会社ビズアップ www.biz-up.biz

(聴き手:ビズデザイン株式会社 取締役・友田 景)

(掲載日:2010/5/18)

 

◆サラリーマンの方がリスクの高い時代になる◆

(友田) ビズアップ株式会社の起業は奥様が妊娠された頃だったとか。すごいリスクを抱えたチャレンジでしたね。

(津久井) それまでは、どうしても起業することに踏ん切りがつかなかったのですが、子どもが産まれるとどうしても守りに入ってしまうと感じたので、思い切って踏み出しました。これからはサラリーマンの方が起業家よりもリスクが高い時代がくると思っています。前職では、私自身も仕事はハードな上に、時間の融通が利きにくいなど弊害も多かった。その上、突然のリストラや倒産など、サラリーマンには自分でコントロールできる部分が小さすぎる気がします。私は、仕事は人生の一部だと考えているので、仕事で何かを犠牲にするのは考えられなかったし、自分の人生を豊かにする上で、仕事と家族を天秤にかけるのではなく、両立する方法を考えたときにやっぱり独立してやっていこうと決めました。そのために、オフィスは自宅の近所に構え、家族で昼も夜も食事を一緒に食べることを習慣にしています。さすがに家事は妻にまかせっきりになっていますが(笑)。

つくいまさのぶ

(友田) 私の知っている限りでは、社長になりたいと思って起業する場合は上手くいっていないケースが多い。逆に何かやりたいことがあって、その手段として起業する場合は上手くいっているケースが多い。津久井さんは、起業をして社長になりたいと思って、起業するネタを探したそうですが、うまくいっている要因は何でしょうか。

(津久井) よく言われます(笑)。自分でもよくわかりませんが、ひとつは父が経営者であったことかも知れません。母も父と一緒に働いていましたので、夕ご飯時は、毎晩会社と仕事の話。仕事に対する取り組み方やいい時もあれば、悪い時もあるなど小さい時から肌身で感じて、経営に対する覚悟ができていたのかも知れません。創業してから3年になりますが、3年やると見えてくるものが大きいですね。

例えば、繁忙期などの周期がある程度がわかるようになりました。ロゴデザインの仕 事は、6~7割がお客さんの創業に合わせた受注になります。その影響か、秋冬はあま り忙しくありません。その間のしのぎ方や次に向けての仕込みなど考えるようになり ました。 1年目は何かあるごとにドキドキしていたが、その辺は心も考え方も図太くなってきた気がします。

つくいまさのぶ

◆業界慣習を打破して、ビジネスチャンスをつかむ◆

友田 それにしてもロゴマークの作成で一点突破していくのは、面白いビジネスモデルですね。

(津久井) 3つぐらい起業するためのビジネスモデルを考えていたのですが、デザイン会社やベンチャー企業での勤務経験から一番自信を持てるものを選びました。もともとデザイン会社や広告代理店はお客さんにとって、非常にわかりづらいことが多いのです。代金の先払いやデザインの変更料など、サービスが明確化されていないことが多く、お客さんにとって使いづらいところがありました。

起業のしやすいビジネスとして、在庫のリスクがなく、固定費が発生しないことが前提でしたので、ロゴマークのデザインをお客さんからわかりやすい形で提供すれば、うまくいくと感じていました。それを確かなものにするために、昼は派遣社員をしながら、実験的に夜はビジネスモデルのテストする試行期間を持ちました。その試行期間を通じて、多くのことを学びました。例えば、当初は人手を掛けず、コストを抑えるためにお客様とのやり取りをメールのみにしていましたが、この仕組みでは、安心感が持たれないためキャンセルが続発しました。このため問い合わせ後は、メールだけでなく、必ず電話でフォローをするようになりました。そのような試行錯誤を繰り返したので、これは事業として成立すると確信が持てました。

◆入口デジタル、出口アナログ◆

友田 津久井さんのビジネスモデルでは、ロゴマークを無料で2つを提案するはもちろんですが、デザイナーとコミュニケーター(顧客担当)の役割やロゴのデザインを説明する『ロゴカルテ』など、お客さんにとってわかりやすいシステムを取り入れておられ、お客さんとのコミュニケーションをとても重要視されているのを感じます。

(津久井) そうですね、弊社では顧客接点を非常に大切にしています。これまでのデザイン業界ではどちらかというとデザイナーやデザイン会社のエゴのようなものが強く、それをお客さんに押しつける感がありました。お客さんの要望を的確に拾い上げるために顧客担当者としてコミュニケーターとデザイナーを分けました。顧客担当者が、そのお客さんに一番マッチするデザイナーを提携している40人のデザイナーの中から選ぶようにしています。そして、作成したロゴマークのデザインコンセプトやデザインに込められた意味などを文書にして解説した『ロゴカルテ』をロゴマークと一緒にデザイナーが提出します。デザイン会社なので、ロゴのデザインはもちろん大切ですが、それと同じくらいコミュニケーションを大切にしています。

友田) お客さんの集客はインターネットだけというのは本当ですか。すごい集客力ですね。

つくいまさのぶ
つくいまさのぶ

(津久井) はい、本当です。創業当初から営業活動は一切せず、ネットからだけの集客ですし、そのスタイルは今でも変わっていません。マーケティング要素を活かしながらデザイナーと一緒にホームページの修正など今でも試行錯誤を繰り返していますが。あと、先程も述べましたが、お問い合わせのあった方にはメールの返信だけでなく、必ず電話を入れるようにしています。アプローチのあった方には、手厚いフォローでヒット率を上げるようにしています。それが高い満足度につながって、紹介なども増える要素だと思っています。今度はどこかタイミングかで、葉書を出そうかと思っています。

友田 それって、完全に『入口デジタル、出口アナログ』ですね。

(津久井) そうですね、過去の経験から入口はデジタル、出口はアナログが、費用対効果が一番高い気がしています。

◆マーケティングとデザインの融合◆

友田 今後の展開を教えて下さい。

(津久井) 『マーティング×デザイン』というのを確立させたいですね。飲食店などの店舗やアーティストなどのロゴデザインからマーケティング、ブランディングまでトータルでプロデュースできるパッケージ商品を作りたいですね。自分も少しばかり音楽をかじっていたので(笑)。どちらかというとマーティングをやっている人は、デザインはいらない、デザイナーは、デザインにマーケティングは必要ないという人が多いです。しかし私の中では、共有できる部分や相乗効果の生める部分は大きいと考えています。弊社のホームページでは、それを融合したものができたと思っているので、その経験を次の展開に活かしていきたいですね。

(友田) マーケティング集団のエムエフ http://mfweb.org/ でも色んなチャレンジを一緒にしていきたいですね。費用対効果とコミュニケーションを両立させる『入口デジタル、出口アナログ』にはとても感銘を受けました。本日は、ありがとうございました。

つくいまさのぶ
 

 

  

  

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