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スタッフ・ブログ

【ビズワード】 値上げ

投稿日時:2016年04月02日 23:18

ビズデザイン代表・木村乃です。

新年度が始まりました。
会社や学校などで新しい生活がはじまるスタートの日ですが、様々な商品の値上げの日でもあります。

そんな折、巷で大きな話題になっているのが赤木乳業「ガリガリ君」の値上げです。値上げそのものではなく、その告知CMが話題となっています。
4月1日、2日限定でオンエアされたCM。私も4月1日の夜にたまたま観ることができました。
BGMとして採用されていたのが高田渡の名曲(珍曲?)「値上げ」です。
日本経済新聞の1日付朝刊でも全面広告だったようです。

CMは下記URLでご覧いただけます。

https://youtu.be/3rfU3zaoRz8

高田渡の「値上げ」は一種のプロテストソングです。値上げをする気が全くないかのようなそぶりを見せながら、言葉たくみに値上げの正当性を刷込んでいく政治家の答弁のような歌詞を皮肉たっぷりに歌った作品です。

赤木乳業によるCMではこの歌に込められた皮肉を逆手にとることによって、25年間値上げすることなく踏ん張ってきたという思いを伝え、その断腸の思いを消費者にわかりやすく伝えることに成功していると感じます。

映像では社長以下、社員の方々が深々とお辞儀をする様子が描かれています。

このCMを観ていて思い出したのが「社内のスタッフが素晴らしいサービスを提供する心構えができていないのに、そのようなサービスを顧客に約束するわけにはいかない」というF.コトラー氏の言葉でした。
インターナルマーケティングの重要性を唱えた言葉です。

ガリガリ君「値上げ篇」のCMからは、赤木乳業の社長以下、社員の皆さんが共有しているであろうまっすぐな思い、顧客に媚びることのない率直な思いが伝わってきました。コトラーの言葉を借りれば、「素晴らしいサービスを提供する心構え」です。

なるほど、インターナルマーケティングというのはこういうことなんだ、と改めて考えさせられました。

同時に、会社にとってダメージとなりかねないネガティブ情報をこんなかたちでストレートに発信する行為には真剣に社会的責任(CSR)を果たそうとする同社の姿勢を感じました。

ちなみに、高田渡の「値上げ」の映像はこちらでご覧いただけます。

※インターナルマーケティングについては、過去のビズワード(2013年10月01日)でも取り上げています。よろしければ、そちらもご覧ください。
http://bit.ly/1RTe4Jt

 

【ビズワード】 塵劫記

投稿日時:2016年03月01日 09:33

ビズデザイン代表・木村です。

「塵劫記」。じんこうき、と読みます。

江戸初期の和算家である吉田光由(1598~1672)の著書です。

堺雅人主演の「武士の家計簿」という映画のワンシーンでちらりと映ったこの本が気になって、早速購入しました。

実は、「武士の家計簿」を観る直前に、岡田准一主演の「天地明察」を観て、和算家の関孝和に興味をもっていました。関孝和のことは高校生時代に数学が得意な友人に教えてもらい名前くらいは認識していたのですが、その業績はなかなか難解だったので深く知ろうとすることはありませんでした。

そこにきて「塵劫記」です。映画の中では草笛光子扮するおばば様が孫に算数クイズを出すシーンが数回ありました。そのとき、おばば様の手元にあったのが「塵劫記」です。

和算のクイズとはどんなものだろうと軽い思い購入したのですが、読み始めていきなり「序文」で衝撃を受けました。

「新板塵劫記序」と題された著者による序文です。そこにはこんなことが書かれています。

「それ算は伏羲、隷首に命じてより、周官に保氏を置、是より以来算数世にこをはなれて、国家の重器たり、誠に故有るかな、算の要たる事、国家をおさめ、百姓をみちびくに及んで、放田・不足・勾股・円長あり、其狭広をはかつて、其耕をおさむるに、井田の法有、十一の法有、もしその法をみだる時は、百姓をだやかならず、又軍をなし、賦をなすに、士をひき、歩卒をまじふるに算数をもつてよくみちびきおさむる也、・・・・・」と続きます。

算数が国家経営の基本だということを滔々と述べているわけです。

当たり前といえば当たり前なのでしょうが、僕たちが幼稚園や小学校で「算数」を習うにあたって、はじめにこんなことを教えられるでしょうか。同じ勉強をするにしても、その目的が明確と効果がこれほどまでに明確に語られるかどうかによって、学ぶ者の姿勢も変わってくるのではないでしょうか。

「算数とか数学とか習ったって、大人になっても使うことないじゃん」とかいうことを言う人も多いと思います。

実際にはそんなことはないのですが、幼い頃から目的と効果を認識して、算数、数学を学んだ人とそうでない人では、国家、国民、環境、未来に対する構想力にも大きな違いが出てくるような気がします。

たまたま手にとった「塵劫記」にそんなことを教えられました。

http://amzn.to/1QQFEXa

 

【募金協力のお願い】 台湾南部地震の被災者を応援してください

投稿日時:2016年02月15日 13:48

ビズデザイン代表・木村乃です。

東日本大震災の翌年2012年から私は、明治大学商学部の教え子たち、名取市の尚絅学院大学現代社会学科の内田龍史准教授、その教え子の皆さんとともに、震災で甚大な被害を受けた宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区を舞台とする「旅おこし」という活動を続けています。
活動を通じて知り合った閖上の方々が、いま一所懸命に取り組んでいらっしゃる活動のひとつが2月6日に発災した台湾南部地震の被災者に義援金を送る活動です。
先日2月14日(日)には、「ゆりあげ港朝市」において、学生や学生が企画したツアーの参加者の方々も、短い時間ではありましたが募金活動に協力してまいりました。

閖上と縁のある一人として、日本人の一人として、名取市民の皆さんの募金活動に少しでもご協力させていただきたいと思います。

以下に「台湾南部地震被災者を応援する名取市民有志の会」の方にいただいたチラシを書き起こしたものを掲載します。
皆様もぜひご協力ください。よろしくお願い致します。

(台湾南部地震の被災者を応援するFBページ)

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平成28年2月11日
台湾南部地震被災者を応援する名取市民有志の会

2016年台湾南部地震のご支援について

平成28年2月6日 台湾南部で大きな地震が発生しました。
その被害の様子を報道で知り、私たちは、心が痛み、何か私たちにできることはないか?という強い思いを持ちました。
台湾からは、東日本大震災の際に多大なるご支援をいただきました。
直接義援金を手渡しながら励ましてくれたのも台湾の団体でした。
今回、特に被害の大きかった台南市は、仙台と交流促進協定を締結しており、東日本大震災後は、仙台観光国際協会と台南市は青少年訪問団の交流を通じて深い絆を作り上げてきました。
その第二回訪問団の団長を務めたのが名取市閖上中学校卒業の高校生でした。
そこで、この度、台湾地震被災者支援のため、名取市民の有志が、仙台観光国際協会と関係団体と協力しながら募金活動を行います。
皆様からお寄せいただいた募金は、台南市の被災者のために役立たせていただきます。

1.支援金の募集について
(※ビズデザイン注記:ここでは、銀行振り込みでの方法のみご紹介いたします)

金融機関名:七十七(シチジュウシチ)銀行 本店 営業部(ホンテン エイギョウブ)
口座番号:(普通)9518215
口座名義:公益財団法人仙台観光国際協会 理事長 渡邉 晃(ワタナベ アキラ)
※振込人の最初に「ナトリシ オオタユキオ」のように、名前の前に自治体名を入れてください。

2.支援金の送り先
支援金は、仙台観光国際協会を通し、台南市に送り、被災者の方の支援に使われます。

【問わせ先】台湾南部地震被災者を応援する名取市民有志の会
代表世話人 太田幸男 090-9635-4154 fukonatori@gmail.com

 

名取・旅おこし講主催「なとりっぷ第6弾」ツアーのご案内

投稿日時:2016年02月01日 15:25

皆様。ビズデザインの木村乃(きむら・だい)です。

私が代表を務めている「名取・旅おこし講」の企画ツアーのご案内です。
私の教え子でもある明治大学と尚絅学院大学の学生らが企画・運営するツアーです。

東日本大震災から約5年。
被災した方々から「命を守る術」を学ぶことは、私たちにとってとても貴重な経験になると思います。
学生だけでなく、社会人も大歓迎です。
地方行政、教育、施設管理などに携わっておられる方には特におすすめのツアーです。
もちろん、地域活性化に関心をお持ちの皆さんにもおすすめです。

以下が明治大学商学部4年生のスタッフからのお誘いメッセージです。
ぜひご参加をご検討ください。
もちろん私も参加します。

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【なとりっぷ第6弾 募集開始!!】
こんにちは、学生スタッフの竜口です。
遂についに、名取・旅おこし講が「なとりっぷ第6弾 ~閖上スキルを身につけよう!~」をプロデュースし、旅エール主催でツアー募集を行います!!

今回のツアーは、
〇地元の防災教育の市民団体である「ゆりあげかもめ」様の協力のもと「命を守る術」の体験
〇美田園第一仮設住宅の方々との交流、
〇そして閖上独自の遊びでもある「ろくもんす大会」

などを通じて、皆さんに存分に閖上の魅力を体感いただけるツアーとなっております!!!
ツアー概要はこちら!
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場所:宮城県名取市閖上地区
日程:2月13日(土)〜14日(日)の一泊二日
料金: 学生5千円、社会人1万円
集合場所・時間: 仙台駅 11時
宿泊場所  尚絅学院大学
解散場所・時間:仙台駅 17時
持ち物: 運動靴(室内履き ない場合は外履きでも可)
バスタオルまたは体をふけるもの
シャンプー、リンス、歯ブラシなど ※宿泊場所にアメニティがないため
(ドライヤーのみ名取・旅おこしで用意いたします)
ツアーの詳細は添付のチラシを見てくださいね!
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申し込みフォームはこちらより
http://bit.ly/1POwy6K (旅エールHP)
申込締め切りは2月8日(月)となっております。
皆さんお誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください!!

今後も、名取・旅おこし講をよろしくお願いいたします。

 

【ビズワード】 抗菌社会

投稿日時:2016年02月01日 15:16

ビズデザイン代表・木村です。

世の中には「正しいこと」と「正しくないこと」があるようです。
そして、「正しくないこと」は「あってはならないこと」とされています。
「あってはならないこと」に対して、マスコミ、世論は徹底的にたたきのめそうとします。
まるでばい菌を撲滅しようとするかのようです。

暴力を伴うような喧嘩。
人が嫌がるいたずら。
つい出来心でやってしまった万引き。

「正しくない」ことなのはわかります。
これらのことで、深刻な状況に追い込まれている方々も多いので、うかつに言えないことだということも承知しています。
それでも、ちょっとした「正しくない」ことも絶対にない社会をつくろうとする考え方には正直なところ違和感を禁じえません。

ばい菌はない方がいい。だからばい菌を根絶やしにしよう。抗菌社会をつくろう。というわけです。
「正しくない」ことを助長する意図はまったくありませんが、ちょっとした「正しくない」ことについては、人生ではそういうこともたまにはあるよな、と寛容であってもよいのではないかと思います。
抗菌社会は免疫、耐性を弱くしてしまうという恐れがあるのではないかとも思います。
虫一匹殺したことのない人が、他人の命の大切さを実感をもって思うことができるのでしょうか。
他人を傷つけた経験がない人が、人を傷つけるということ、傷つくということを実感をもって思うことができるのでしょうか。
失敗したことのない人が、失敗で苦しむ人のことを実感をもって思うことができるのでしょうか。
「正しくない」経験で学ぶこともたくさんあるはずです。
ちょっとした「正しくない」経験が、深刻な「正しくない」事件を防ぐことにつながるという効果があるように思います。

抗菌社会ではなく、ちょっとくらい“ばっちい社会”であってもいい。
僕はそう思います。

そういえば、7年ほど前にも同じようなことを書いていたことを思い出しました。
よろしければご笑覧ください。

http://bit.ly/1VATISg

 

【名取市・閖上(ゆりあげ)を訪ねる旅“なとりっぷ”のご案内】

投稿日時:2016年01月28日 11:16

皆様。ビズデザインの木村乃(きむら・だい)です。

今日は、私が代表を務めている「名取・旅おこし講」の企画ツアーのご案内をさせてください。
私の教え子でもある明治大学と尚絅学院大学の学生らが企画・運営するツアーです。

ご参加のお申込み、お待ちしております!
(私にご連絡いただければ幸いです)
申込み期限は2月8日(月)です。
(先日お配りしたチラシの期限を延長しています!)

「なとりっぷ」は今回で第6弾となります。

今回のコンセプトは「閖上スキルを身につけよう!」です。
地元の防災教育の市民団体である「ゆりあげかもめ」様の協力のもと「命を守る術」の体験、美田園第一仮設住宅の方々との交流、閖上独自の遊びでもある「ろくもんす大会」等を通じて、閖上の魅力を存分に体感いただけるツアーとなっております!!
社会人の皆さんにとっては、学生たちとの触れ合いも魅力のひとつになると思います。

もちろん、木村も参加します。

<ツアー概要>
【行先】 宮城県名取市閖上地区
【日程】 2月13日(土)〜14日(日)の一泊二日
【料金】 学生5千円、社会人1万円
【集合場所・時間】 仙台駅 11時
【宿泊場所】 尚絅学院大学
【解散場所・時間】 仙台駅 17時
【持ち物】 運動靴(室内履きがない場合は外履きでも可)、バスタオルまたは体をふけるもの、シャンプー、リンス、歯ブラシなど
※宿泊場所にアメニティがないため(ドライヤーのみ名取・旅おこしで用意いたします)

ツアーの詳細は、添付のチラシを見てくださいね!

申し込みフォームはこちらより
http://bit.ly/1POwy6K

(本旅行主催の株式会社旅エールHPの申し込みフォーム)

申込締め切りは2月8日(月)となっております。
皆さんお誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください!!

 

【ビズワード】 一陽来復

投稿日時:2015年12月15日 08:40

ビズデザイン代表・木村乃です。

皆さんのお住いの自治会・町内会では「回覧板」は回っているでしょうか。
暮らしに関わる役所からの大切なお知らせや行事の告知チラシ等がバインダーに挟んであったりするアレです。

先日、ある自治会の会長さんとお話をしました。
会長さん曰く、あえて回覧板は回していない」とのこと。
このコミュニティには集会所があり、そこに掲示板が設置されています。
お知らせすべきことはすべてここに掲示されているからここに来てくれればいい、と仰います。

「そうすることで、どうしても家から出てこなくてはならなくなる。近所づきあいもうまくいく。」

一人暮らしのお年寄りも多数住んでいるからこそのお考えなのだそうです。

世の中はどんどん便利になっています。特に情報技術の進歩は日進月歩です。
家の中にこもっていても外部の情報にアクセスできます。
しかし、それがゆえに人とのふれあいの機会が少なくなってしまいます。
今更ではありますが、これは現代におけるコミュニティ問題の本質です。

この自治会長さんはそれに挑戦していらっしゃるのだな、と思いました。

僕たちが学生らとともに出入りさせていただいている宮城県の仮設住宅でのお話しです。

その仮設住宅のトイレに貼られていた一文をご紹介します。
とても素晴らしい一文だと思います。
「一陽来復」とは、悪いいことが続いた後で幸運に向かうことを意味します。
回覧板を回さない、という挑戦が「元の生活以上の素晴らしい未来を築いていくこと」につながるよう、僕たちも引き続き応援していきたいと思います。

 

【ビズワード】大統領を超えた存在

投稿日時:2015年11月16日 15:24

ビズデザイン代表・木村です。

ミャンマーで政権交代が起こります。
アウンサンスーチー氏が実質的な指導者になると報道されています。
「大統領を超えた存在」というのがそのことのようです。

軍政時代に作られた憲法により、外国籍の家族がいる場合は大統領になれない(第59条(6))ため、アウンサンスーチー氏は大統領になれません。(憲法条文は、工藤年博編「ミャンマー軍事政権の行方」調査報告書 アジア経済研究所2010年より抜粋。以下も同じ。)

そこで「大統領を超えた存在」になると声明しているわけです。

アウンサンスーチー氏は独立の父と呼ばれるアウンサン将軍を父とするミャンマー民主化運動の象徴であり、ノーベル平和賞を受賞(1991年)、また女性リーダーであることからわが国でも人気が高いようです。
それはそれでよいのですが、僕は「大統領を超えた存在」という彼女のスタンスに大いに違和感を感じています。このことはミャンマー国内でも違憲の疑いがありと問題視されているようです。

そもそも、ミャンマー憲法では第16条に「国会の元首及び行政の長は、大統領とする」と定められ、第58条では「大統領は、ミャンマー連邦全土に居住するミャンマー国民全員の頂点に位置する」とされているのですから、「大統領を超えた存在」は憲法上ありまえません。

現憲法が国家の指導者を「大統領」と定めている以上、実質的にこれを超える存在として実験を握るということは、つまり「大統領」を傀儡にし院政を敷くということになります。民主国家において、傀儡政権を作るということを公言することが果たして許されるのでしょうjか。

アウンサンスーチー氏は憲法改正についてはどのように考えているのでしょうか。
その草案作成におけるGHQないし米国の過剰な関与、押しつけがあったと言われる日本国憲法ですら、大日本国憲法が定めた改正手続き(旧憲法第73条)に基づく手続形式を経て制定されています。
改憲なしに「大統領を超えた存在」として公然と権力を掌握するというのは立憲主義の否定になるのではないでしょうか。

一方、外国籍の家族をもつ者が大統領になることを禁じるという現ミャンマー憲法には正当性があるようにも思います。外国籍の家族をもつ指導者に国益を委ねるわけにはいかないという考え方には道理があるからです。
かといって、アウンサンスーチー氏の事情にのみ対応しうる改正といった恣意的な改正も決して好ましいことではありません。

それでは、アウンサンスーチー氏はどのようにして名実を備えた指導者となることができるのでしょうか。
外国籍の家族がミャンマー国籍を取得するというのがそのひとつの方法でしょう。
それがミャンマーの国内法によって可能なのかどうかはわかりませんが、一般論としてそれができるとしても、政治権力を掌握することを目的とした帰化が許されることはないと考えるのが妥当でしょう。
離婚して、お子さん方との家族関係を解消するという方法もありえます。
これは「悪法も法」を逆利用した有効な方法になります。つまり、形式要件を整えれば大統領になる資格があるというわけです。

素人考えでしょうが、少なくともそのような形式要件を整える努力をすることなく、「大統領を超えた存在」になるという暴言をなし崩し的に許すようでは、ミャンマーの民主化は遠のいてしまうような気がします。

安保法制をめぐる我が国の政治的混乱の中でも「立憲主義」は主要論点となっていました。
解釈改憲は許さない、または解釈改憲の範囲を逸脱しているという主張です。
これは、護憲派、改憲派の双方が共通に主張すべきことですが、実際には護憲派が強く主張したところです。
アウンサンスーチー氏の勝利、ミャンマーの民主化は歓迎すべきことでしょう。
それはそれでいいと思います。
しかし、「安倍政権が立憲主義を崩壊させた」と主張してきた方々が「大統領を超えた存在」になることを標榜するアウンサンスーチー氏のスタンスについて疑問視しないとすれば、それはおかしいと思います。

他所の国のことながら、立憲主義について少し考え込んでしまいました。

 

【ビズワード】交流人口

投稿日時:2015年10月19日 14:59

ビズデザイン代表・木村です。

「交流人口」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
行政の方は当然ご存じでしょう。

人口減少社会を迎え、これまでと同じ一人あたりの活動量では経済が維持できなくなるという危機感から生まれた概念です。国も地方自治体も政策の基本概念として「交流人口の増加」を掲げています。

ところが、よくよく考えてみると、国における政策概念としての「交流人口」と、地方自治体における概念としての「交流人口」は実は違っているのではないかということに気が付きます。

全国単位でいう「交流人口」は、国内における人の移動量を大きくし、それに伴う消費を大きくしようとするものであり、人口(ストック)依存から活動量(フロー)依存に政策をシフトするわかりやすい政策概念です。発地がどこであろうと着地がどこであろうと問題ではありません。要するに移動量(活動量)が増えればそれでよいのです。

一方、地域(自治体等)単位でいう「交流人口」は、自地域内に地域外からの消費流入を促そうという意味でつかわれており、双方向概念であるはずの「交流人口」概念が、一方向的な概念として使われています。自地域外に出かけることを政策的に奨励することがないのがその証拠です。発地はあくまでも自地域外であり、着地はあくまでも自地域内であることを前提としています。その点で「国」における交流人口概念とは異なります。

「交流人口」とは何なのか、どうあるべきなのかといった議論はさておき、私はこうした現象に、地方自治体の政策能力の低さを感じざるをえません。

国が提示した、あるいは自治体の中で流行している政策キーワードに安易に飛びつき、その概念をしっかりと自らの腹に落とすことなく自らの政策に流用していく現象が多いように思います。「地産地消」も「六次産業」も然りです。
「行政はサービス業だ」とか「行政も満足度経営を志向すべきだ」とかいう民間的発想に引きずられてしまう状況を見ていても同じことを感じます。(ちなみに私は論理的に行政はサービス業ではありえないし、企業と同じ満足度経営はありえないと確信しています)

地域それぞれが独創的な政策発想をしなくては、地方自治は成立しません。
何をどのように概念規定するかはともかく、地方自治体の主体的な哲学が問われていると思います。

 

【ビズワード】規制改革~その後

投稿日時:2015年08月31日 10:28

ビズデザイン代表の木村です。

昨年(2014年)11月18日付けのビズワードに「規制改革」という記事を書きました。

過去のビズワードはこちら

内閣府に設置された「規制改革会議」という首相の諮問機関の下部組織である地域活性化ワーキングに臨む直前でした。

その後の11月21日(金)に同ワーキングに出席し、いくつかの問題提起をしてきました。

そして、本年(6月16日)には、「第3次答申」がまとめられ、安倍総理に手交されたとのことです。

第3次答申はこちら
域活性化ワーキングが担当した答申の内容はP59~P74に掲載されています
その中で、私が問題提起させていただいた改革案件のいくつかについてその改革の必要性が取り上げられています。これらの案件はすべて地域活性化の現場から提供された生の具体的事案をもとにしています。

●臨時飲食店営業のための規制緩和
地域の特産品を販売するマルシェなど新たな形態の食のイベント等が開催しやすいようにする許可要件に関する措置

●小規模宿泊業のための規制緩和
イベント等を実施する際の「民泊」における規制緩和
農林漁家民宿の対象範囲の拡大
インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した宿泊サービスの提供

●着地型観光を促進するための旅行業の見直し
第三種旅行業者の範囲の拡大
地域限定旅行業等の登録の容易化
旅行業務取扱管理者試験の見直し

●廃校の利活用促進
廃校の利活用を容易なものとするため、安全性を確保しつつ、事業者にとっての選択肢が拡大するよう性能規定の更なる合理化等の検討を行い、結論を得る。

すべてが十分な改革、緩和といえる内容ではありませんが、会議委員の方々、また事務局の方々が担当省庁を相手に相当な交渉努力をなさったものと思います。

今回の件を通じて僕が感じたのは、しかるべき方法をとれば現場の声は政策においても反映されうるということです。今回はたまたま偶然にも同ワーキングに参加させていただく機会を得ることができましたが、今後も何とかそのような機会を獲得して、少しでも現場の実態を伝え、必要な措置を講じていただけるよう頑張ろうかなという思いを新たにしました。

 

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