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【ビズワード】 名物に旨い物なし

投稿日時:2016年05月10日 08:40


ビズデザイン代表の木村乃です。

「名物に旨い物なし」という諺があります。

本来は、名物とされているものも、食べてみるとたいして旨いわけではない。転じて、とかく評判がいいとされているものは評判倒れ(看板倒れ)のものが多いという意味のようです。

しかし、僕はこの解釈は少し違うのではないかと思っています。

ご当地で旨いと評判の名物は、当地の人にとってはこのうえなく親しみと愛着を感じ、旨い、旨い、これがなきゃ生きていられない!なんていう半ば本気の冗談を言いたいほどのものであるが、他所の人にとっては、え?こんなのが旨いの?と首をかしげたくなるようなことがしばしばある。そういう解釈が「正解」なのではないでしょうか。

例えば、うどん。

「やっぱり、この“こし”がなくちゃね。“のどごし”も大事だよ」なんて言う人は全国にたくさんいると思いますが、僕の故郷である福岡ではうどんに“こし”なんか必要ない!という人が多くいます。福岡のうどんは、極端に柔らかくて箸で引き揚げたときに切れてしまうほどです。伊勢のうどんも同じようなものだと言います。“こし”、“のどごし”を求める人にとっては、とてもまずいうどんでしょう。

例えば、醤油。

福岡をはじめ九州、四国地方の醤油はとても甘いです。お刺身用の「刺身醤油」、「たまり醤油」に至っては、すごく甘くてざらざらしています。当地の人にとってはこれでこそ、The「醤油」なのです。かつての僕もそうでした。しかし、福岡を離れて30年の僕ですら、この九州・四国地方の甘い醤油は、ちょっといただけないものになってしまいました。

焼酎好きの人でも、芋焼酎はNGとか、泡盛はNGとか言う人もいるでしょう。

こんなふうに、当地の暮らしに浸透し、根付いている食文化はそれぞれ独特のものです。それだけに、他所の人にとっては、それのどこがいいのか??と思うことがあっても不思議ではありません。

「名物に旨いものなし」。

実はこの言葉は、地方・地域に根付いた誇るべ文化の価値を表した愛情あふれる諺なのではないでしょうか。

「名物に旨いものなし」。

この言葉を、評判倒れという意味にとらえてしまうと、深刻な悲劇が起こります。

他所の人の「舌」(志向)に合わせて、当地の文化を変貌させるという行為です。これをやってしまうと、せっかく当地で培われてきた文化を壊してしまうことになりかねません。僕はこのことを「媚びる」と表現したいと思います。

一方。他所の文化に触れて、そこから学ぶべきものを吸収し、当地の文化を成長させていくという行為もあります。地域の文化が不変であるということに固執することはないでしょうから、当地の人が文化の発展を願って変化を求めていくことは素晴らしいことです。僕はこのことを「学ぶ」と表現したいと思います。

次回のビズワードでは「媚びる・学ぶ」をテーマに、雑文を書いてみたいと思います。

乞うご期待!

 

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