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【ビズワード】交流人口

投稿日時:2015年10月19日 14:59


ビズデザイン代表・木村です。

「交流人口」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
行政の方は当然ご存じでしょう。

人口減少社会を迎え、これまでと同じ一人あたりの活動量では経済が維持できなくなるという危機感から生まれた概念です。国も地方自治体も政策の基本概念として「交流人口の増加」を掲げています。

ところが、よくよく考えてみると、国における政策概念としての「交流人口」と、地方自治体における概念としての「交流人口」は実は違っているのではないかということに気が付きます。

全国単位でいう「交流人口」は、国内における人の移動量を大きくし、それに伴う消費を大きくしようとするものであり、人口(ストック)依存から活動量(フロー)依存に政策をシフトするわかりやすい政策概念です。発地がどこであろうと着地がどこであろうと問題ではありません。要するに移動量(活動量)が増えればそれでよいのです。

一方、地域(自治体等)単位でいう「交流人口」は、自地域内に地域外からの消費流入を促そうという意味でつかわれており、双方向概念であるはずの「交流人口」概念が、一方向的な概念として使われています。自地域外に出かけることを政策的に奨励することがないのがその証拠です。発地はあくまでも自地域外であり、着地はあくまでも自地域内であることを前提としています。その点で「国」における交流人口概念とは異なります。

「交流人口」とは何なのか、どうあるべきなのかといった議論はさておき、私はこうした現象に、地方自治体の政策能力の低さを感じざるをえません。

国が提示した、あるいは自治体の中で流行している政策キーワードに安易に飛びつき、その概念をしっかりと自らの腹に落とすことなく自らの政策に流用していく現象が多いように思います。「地産地消」も「六次産業」も然りです。
「行政はサービス業だ」とか「行政も満足度経営を志向すべきだ」とかいう民間的発想に引きずられてしまう状況を見ていても同じことを感じます。(ちなみに私は論理的に行政はサービス業ではありえないし、企業と同じ満足度経営はありえないと確信しています)

地域それぞれが独創的な政策発想をしなくては、地方自治は成立しません。
何をどのように概念規定するかはともかく、地方自治体の主体的な哲学が問われていると思います。

 

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