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【ビスワード】自治体が企業の取り組みを優遇するわけ

投稿日時:2015年06月10日 11:25


地方自治体が社会課題に取り組む企業を優遇する事例が出てきました。

ひきこもり対策で企業に税優遇 京都府、全国初の条例案 ヤフーニュース 京都新聞6月4日12時13分配信

京都府が、ひきこもりやニートを支援する「若者就職支援条例案」を府議会に提案。これまでも、横浜市、宇都宮市、さいたま市など、CSRや社会貢献に取り組む企業を認定、優遇する制度を導入している自治体はありましたが、個別の社会(地域)課題に対して、優遇する自治体は私の知る限り全国で初だと思います。

京都府が企業に対して協力を求め、税優遇する背景には、社会課題を行政だけでは解決できないことがあります。特に就労、就職に関しては、企業(事業者)の協力がなければ、雇用を生み出すことはできません。ひきこもり状態が長くなれば親も高齢化し、家庭の中で養っていくのが難しくなるため、社会的に自立できずにいると多くの場合、生活保護を受けることになります。ひきこもり状態が長期化すれば、自治体は福祉サービス(生活保護等)を受けるために税金を支出しなければなりません。自治体としては、予防的施策として、就労支援事業を行うわけですが、企業は履歴書にブランク(ひきこもり期間)がある人材を敬遠する傾向があり、なかなか就職に結びつかないわけです。

ひきこもりの状態にある人が働き始めることによって、税金を給付される側から税金を納める側に回ってもらえます。税収不足に困る自治体にとっては非常に大きなインパクトがあります。そのためには企業の協力が不可欠であるため、税優遇までしても協力を求めるわけです。ただ、税優遇が企業にとって、雇用のインセンティブになるかは疑問があります。これは企業の規模にもよると思いますが、中小企業にとって雇用は、コスト的にも時間的にも非常に大きなインパクトがあります。京都府の場合、税優遇とともに府の調達に関しても優遇があるそうですが、これは府と取引がある事業者には大きな動きが期待できます。

今回の条例によってどれほどの企業に動きがあるかわかりませんが、自治体が企業と共に社会課題に向き合う大きな一歩であると思います。京都府の場合、若者の雇用というテーマでありますが、全国各地には解決すべき課題はゴロゴロしています。その中には企業の協力によって、解決に向かうものも少なくないはずです。京都府に続く、自治体と企業の一歩踏み込んだ取り組みが出てくることを楽しみにしています。

 

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