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「予算がないからできない」の愚

投稿日時:2014年08月26日 13:00

代表・木村乃です。

行政ではしばしば「予算がないからできない」というセリフを耳にします。
ときには「財政課に(予算要求を)切られたからできない」といったセリフも聞こえてきます。

はっきりと申し上げましょう。

現金を給付するような事業を除けば、「予算がないからできない」というのは愚か者のセリフです。
そんなのはできない理由にはなりません。
これは、全国各地で地域の活性化に成果をもたらしている地方公務員の方々が口をそろえて仰っていることです。

「ローマ法王に米を食べさせた男」として知られる石川県羽咋市の高野誠鮮さん、「高校生レストラン」の立役者として知られる三重県多気町の岸川政之さん、そして私が三浦市に奉職していた頃のパートナーであり、三浦市のトップセールスマンである若澤美義さん。いずれの方々も口をそろえて仰います。「予算がないというのは言い訳にはならない」と。

あらかじめ予算があれば、その使い方に頭を使います。それはそれで大切な頭の使い方ですが、 これが最優先であってはいけません。それでは、予算がなければ何を考えるでしょうか。必要な資金を集めることを考えるでしょう。そのためには政府、企業や団体、個人の皆さんに支援者あるいはスポンサーになっていただかなくてはなりません。まず最初に頭を使うのは「私たちは何を目的に、どんなことを、いつまでにやろうとしているのか」という説得力のある事業プランを改めて整理することです。どうすれば説得力があるか。どうすれば支援する気持ちになっていただけるか。どうすればスポンサーになっていただけるか。そんなことを一所懸命考えることになります。自分たちの都合だけではなく、支援者、スポンサーにとってのメリットにまで思考が及びます。そこまでしっかり考えてこそ、支援を取り付けることができるわけです。

こうした努力が功を奏して支援を取り付けることができたとします。これは何を意味するでしょうか。単に資金が集まっただけではありません。多くの“仲間”が集まったということでもあるのです。これから何かをなそうとする際、仲間、それも活動趣旨を十分に理解してくれた仲間がいることはとてもありがたいことです。あらかじめ予算があったならば、こうした仲間はできなかったでしょう。だから、予算などない方がよい仕事ができるのです。国の公募型補助金を獲得することだって、同じことです。獲得できたら、所管省庁の担当職員にも仲間になってもらいましょう。

もう一度言います。「予算がないからできない」というのは愚か者のセリフです。「予算がないからこそ得られる成果」をイメージできるような熱意をもたなければ、たとえ予算があったとしてもよい仕事はできないでしょう。

そこで、志ある地方公務員の皆さんに提案です。
これだけは何としてやりとげたい!という仕事は遠慮なく予算要求しましょう。
但し、金額は「1(千円)」です。自分自身の人件費を使うことだけは上司の了解を取り付けましょう。
これができれば、晴れて公式な自治体事業となります。
そして、その仕事を進めるうえでの仲間と資金を募りましょう。

皆さんのその熱意と努力が、必ず地域を活性化させるはずです。
頑張ってください。

 

【ビズワード】バリューチェーンのエンゲージメント

投稿日時:2014年08月05日 17:57

友田景です。

先月から大きなニュースとなっているベネッセの個人情報流出問題と中国での食肉の問題は、CSRの観点からみれば、同種の問題であると感じています。

今回の問題が起こった時に有名な「三人のレンガ職人」の話を思い出しました。下記のような話です。

ある老人が散歩をしていると、レンガ積みをしている職人が3人いました。彼が職人一人ひとりに「あなたは何をしているのですか?」と尋ねると、それぞれ次のように答えました。
職人A:「見ての通り、レンガを積んでいるんだ」
職人B:「レンガを積んで塀を作っているんです」
職人C:「人の心を癒す教会を作っているんですよ」

同じ作業をしている職人たちですが、考えていることが違います。
職人Aは、レンガを積むことが目的になっており、目の前の作業をこなしているだけになっています。
職人Bは、レンガを積み上げれば、立派な塀ができることは分かっていますが、全体は見えていません。
職人Cは、単純なレンガ積みも、やがて塀になり、さらには立派な教会になり、多くの参拝者が訪れるという社会的な意義を考えて作業しています。

ベネッセの個人情報に携わっていた派遣社員、中国の食肉加工工場で働いていた従業員は、何を考えて働いていたのでしょうか。上記の3人の職人のどれに当てはまるのでしょうか。

1つの製品・サービスが顧客のもとに届くまでには、さまざまな業務活動が関係します。社会がグローバル化、成熟化することにより、仕入先、取引先がこれまで以上に多岐に渡っています。つまり、自社だけで価値を生み出せない時代であると言えるでしょう。一社だけでは、ビジネスとして完結しないためにバリューチェーンという言葉が生まれてきたわけであり、今回の2つのニュースは、そのバリューチェーンの問題であると考えます。

つまり、製品・サービスを提供するための様々な業務活動ひとつひとつにCSRの視点を持たなければいけません。だからこそCSRの専門部署だけでは対応することは難しいわけです。まさに「事件は現場で起こっている」のです!業務に携わる取引先や関係者と目的を共有できているのかが、大きなポイントになると考えます。取引を決定する際に価格や外形的条件は、もちろん重要ですが、それだけで決定していないでしょうか。その業務の目的やその思いがバリューチェーンの隅々にまで共有できているか、このようなニュースを聞くたびに思いを巡らせます。

エンゲージメントは、『婚約』だと考えていいと思います。婚約する場合、どの方向に向けて一緒にやっていくのかを決定しないと前に進んでいかないわけですよね。それを取引先や関係者とできているのか、改めて確認してもらいたいポイントです。

 

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