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【ビズワード】ISO26000の観点からセクハラヤジ問題を考える

投稿日時:2014年07月01日 14:35

友田景です。

大きな話題となった東京都議会でのセクハラヤジ問題ですが、この問題について社会的責任の国際規格であるISO26000の観点から考えたいと思います。ISO26000は、企業だけでなく、すべての組織が持続可能な社会への貢献に責任があるとされています。

今回の問題は、ISO26000で定められている7つの中核主題の中で人権に当たります。人権の中で課題が下記のように提起されています。

課題④ 苦情解決 ・・・ 人権が侵害されたときに、それを組織に伝えるようにすることができる制度を確立することで、人権に関する苦情の解決をすること
課題⑤ 差別及び社会的弱者 ・・・ 組織に関係するすべての人に対する直接的・間接的の差別を禁止し、不利な状況に立たされやすい社会的弱者の機会均等と権利の尊重に特に配慮すること
課題⑥ 市民的及び政治的権利自由な言論、表現、政治への参加など、人として、社会の一員としての尊厳をもった生活を送るための権利を尊重すること

また7つの原則として、下記の行動原則を定めています。

① 説明責任:組織の活動によって外部に不える影響を説明する。
② 透明性:組織の意思決定や活動の透明性を保つ。
③ 倫理的な行動:公平性や誠実であることなど倫理観に基づいて行動する。
④ ステークホルダーの利害の尊重:様々なステークホルダーへ配慮して対応する。

上記の視点から今回、この問題に関連したそれぞれの組織について考察する。

【東京都】世界的には、人権は大きなテーマであり、2020年に東京オリンピックを控える中、世界からのイメージダウンが大きい。そうでなくともグローバルな都市間競争をする中で、日本や東京が魅力的な市場と映らない可能性が大きい。知事の対応を見ると、都議会任せで、行政としても積極的に説明責任を果たして行こうという姿が見られなかった。東京都にとって、都民だけなく、世界中の人がステークホルダーであるという視点が欠けているように感じる。

【東京都議会】全面的に明らかにして、問題解決を図ろうとする姿が見えなかった。7つの原則である説明責任、透明性、倫理的な行動の視点が欠けていたように感じる。ステークホルダーの利害の尊重では、議長が都議会自民党から選出されているためか、最大会派の都議会自民党に偏ったように思える幕引きとなった。

【都議会自民党】自らの会派から発言者が出たこともあり、保身を考えたために対応が後手後手に回ったように見受けられる。自民党本部(安倍総理や石破幹事長)からこの問題に言質があったことで、問題の究明せざるをえなくなり、最終的に鈴木議員が会派離脱することで、トカゲの尻尾切りで終わらせることにしたように見える。 「自民党の席から発言があった」と疑惑を持たれた当初から透明性を示す上で、積極的に明らかにする姿勢を持てば、印象が違ったように思う。

個人ではなく、あくまでも組織にフォーカスを当ててそれぞれの対応を振り返ってみた。それぞれの主要なステークホルダーが誰であるのか、それによってとるべき対応は大きく変わってくる。問題が起こった場合に当然ながら組織として傷が大きくならずに済むことを考えると思うが、そんな時にもISO26000は参考になるはずである。

 

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