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【ビズワード】 白井宿

投稿日時:2013年11月18日 10:00

木村乃です。

群馬県上野村に「白井(しろい)」という集落があります。江戸時代には関所が置かれ、上州、武州、信州の物産が集まる「市」でにぎわったと伝えられている集落です。明治17年に勃発した「秩父事件」の際には政府、警察、軍隊に対して武装蜂起した困窮農民ら「秩父困民党軍」を宿営させ、炊き出しをするなど支援したとのことです。

現在、白井集落には上野村を訪れる人々の休憩所「白井宿」が建てられ、囲炉裏を囲んで地元のおじいちゃん、おばあちゃんが郷土料理のいも串や煮物、お茶などでもてなしてくださっています。何か特別な観光資源があるわけではありません。ただの山奥のひなびた集落です。観光地への通り道になっているわけでもないので、ここを訪れる人はほとんどいません。それなのに、白井で暮らす方々は、村の外からやってくるお客様をおもてなししたいという思いが強く、「十石市」と称するおもてなしのイベントを11月の土・日に開催しておられます。

これはとても素晴らしい“文化だと思います。白井集落の「おもてなしの心」という文化を感じたとき、「市」でにぎわったという史実、困民党を迎え入れ支援したという史実をとてもリアルな印象をもって実感することができます。歴史が単なる記録としてではなく、今に生きる地域の文化として営々と生き続けているということなのでしょう。

こうした豊饒な文化をもつ小集落を消滅させないためにも、私たちの「旅おこし」の取組をもっと広げていかなくてはならないなと強く思います。

※「旅おこし」については下記URLをご参照ください。

http://bit.ly/17opQ29 ビズデザイン公式ブログ「世遊綽々」

 

【ビズワード】育て上げネット発「若年無業者白書」

投稿日時:2013年11月04日 23:26

菅裕子です。

弊社もサポート会員として応援しております若者自立支援業界を代表するNPO法人育て上げネットさん、

先日、育て上げネットさんより「若者無業者白書-その実態と社会構造分析」が発行されその発表イベントに参加してきました。

この白書は若年無業者の方が若者サポートステーションなどの育て上げネットさんの支援機関を訪れた際、最初の面談の時に記入してもらったアンケートや面談時に聞き出した情報をデータベース化し、分析されたものです。

この中では若年無業者を、①求職活動を行っている「求職型」、②就職希望を表明しているが求職活動を行っていない「非求職型」、③就職希望を表明していない「非希望型」の3つに類型化し、それぞれの特徴について分析を進めています。そして非希望型から非求職型へ、非求職型から求職型へ移行するための支援が必要であるとしています。

非求職型にとって求職活動に進むことを阻害しているのは「不安」「緊張」であり、それは自分自身の価値や、働く力に対する評価が低いことが要因だと分析し、そういった自己評価が高まるような支援が重要だと指摘しています。また、「非希望型」は不安や緊張といったネガティブな心情さえ見られない停滞した状態であり、内発的な意識を高めることの必要性が指摘されています。さらにPCスキルがない、職歴がないかもしくは短いという特徴も挙げられています。

また無業期間に影響を与えているのは何か、との視点で「生活環境」「個人属性」「日常生活」「生活史」「社会生活」「退職理由」の6つのカテゴリー別に、無業期間を説明するモデル式を作成し、3つの類型との比較をすることで就職の意思によって過去の経験、現在の生活の意味が変わることが示されています。

白書の中でも強調されていますが、このデータはあくまで育て上げネットさんで支援を受けた人達のデータであり、若者無業者全体を網羅したものではないという事があります。育て上げネットさんの支援団体としての特徴として、精神的に厳しい状況の人、経済的な困窮状態の人などは比較的少ないことなどが考えられます。それは都市部であるため他の専門支援機関も多く、そういった問題で困難度が高いケースは育て上げネットさんに来る前に他の機関での支援を受けているか、相談に来られても他の機関を紹介されていると思われます。精神疾患や貧困などの問題を抱えた無業状態の人のデータとしては偏りがある可能性を考慮しておく必要があります。

とはいえこの白書、若者支援業界に一石を投じる取り組みである点は間違いありません。ここに示しただけでも今後具体的な施策を考える上で有効に整理できた点はあると思います。今後こういった調査分析が他機関・他団体においても実施されたり、そのようなデータと国や自治体が実施する調査と併せて検討されることにより、より実態に即した、必要な支援が実施されていくことに繋がればと思います。

また調査者としては、支援期間や支援内容を分析してみるのも面白そうだと思いました。データの整備等、実現は難しいのでしょうか、考えてみたいと思います。

 

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