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『社会課題は他社と共同で取り組む』

投稿日時:2013年03月29日 13:30

友田景です。

課題先進国の日本では、ポーター教授が提唱した「社会問題の解決と企業の競争力向上の両立を目指す取り組み」としてCSV(Creating Shared Value)なる考え方が流行している。

ISO26000でも第3章に社会的責任の統合が謳われており、「社会的責任がその組織の中核的な戦略の不可欠な部分となるべきである」と記載されている。また第5章では、社会的責任の中核課題及び関連する課題の認識において、「組織が自らの社会的責任の中核主題を認識するとき、他の組織との相互関係を考えることが有用である」と記載されている。

つまり、組織の社会的責任における課題は、他の組織との関係性を含めて検討し、組織の戦略に位置づけるということになる。社会的課題は、自社だけの問題ではなく、他社にとっても共通の課題となることも多い。例えば、東日本大震災が、産官民学という組織に形態とらわれず、日本に関わる多くの組織の共通の課題となったことに象徴されている。

だからこそ社会課題は、自社だけでなく他の組織と共同で取り組むことによって、その解決がスムーズに進む場合が多い。しかし、近年企業とNPOの連携は進んだが、企業連携によって社会課題に取り組む事例はまだまだ少ない。そのような中で、企業連携で社会課題に取り組む事例を2つご紹介したい。

東日本大震災の復興支援として、カゴメ、カルビー、ロート製薬の3社が発起企業となり、真にこの復興の礎となるべき被災した遺児たちがその夢や希望を諦めずに成長し、故郷の復興のために役立ってほしいとの願いを込めた進学支援のための奨学基金として設立された「公益財団法人みちのく未来基金」がある。

発起企業は、「今回の復興の過程は、非常に時間を要する困難な道であることが予想される。3社はこれまでも、企業として様々な社会貢献活動を行ってきたが、民間企業として長期的に復興を支援する仕組みづくりが必要と考え、業界の垣根を越えて賛同した。震災遺児の進学の夢を支援し、東北や日本のために貢献できる人材育成につなげたい」とメッセージを出しており、この支援の枠組みに賛同し、支援企業、後援企業・団体は33社・団体になっている。3社共同での枠組みを作ったからこそ、33社・団体へと広がりが出るわけだ。

2つ目では、環境をテーマとして帝人とパタゴニアの取り組み事例をご紹介したい。帝人は、1992年に「地球環境憲章」を制定し、環境と経済の両立を図ることができるビジネスモデルづくりに取り組んできた。また、パタゴニア社は、「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そしてビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」というミッションステートメントを掲げている。そんな両社がタッグを組み、ポリエステルの繊維製品の完全循環型の衣料品リサイクルプログラムを2005年から共同で展開している。

具体的には、パタゴニアが使用済みのポリエステル製のウエアを店舗、郵送にて回収し、帝人グループの「繊維to繊維」リサイクル施設によって、ポリエステル原料に再生する完全循環型リサイクルシステム「エコサークル®」を利用している。2007年にはフリース製品にも拡大し、自社製品だけでなく、他社製品の回収も行っている。エコサークル®で、リサイクルされたポリエステル繊維をフリース用糸としてポーラーテック社に販売し、同社がファブリックにして、パタゴニア社をはじめとするアパレルメーカーに販売している。

帝人が提供している「エコサークル®」では、新たに石油から製品を作る場合に比べて、エネルギー消費量、CO2排出量ともに約80%の削減となる。賛同する企業をメンバー登録し、商品の開発、商品化およびその回収・リサイクルを共同で進めることを目的としていており、2008年にはメンバー企業が100社に達している。またパタゴニアでは、同年に帝人と東レの両社のケミカルリサイクル技術を用いて完全循環型リサイクル可能な防水透湿性ジャケットを開発している。

上記2つの事例は、真に社会課題の解決を目指すのであれば、そのパートナーを見つけるが解決への道しるべとなることを示している。

(※オルタナCSR monthly 第5号 「社会課題は他社と共同で取り組む」に加筆修正)

 

日本マイクロソフト被災地支援『東北UPプロジェクト』第三者評価報告書

投稿日時:2013年03月14日 08:10

友田景です。

弊社は、日本マイクロソフト株式会社の企業市民活動のひとつであり、被災地支援として取り組まれているコミュニティITスキルプログラム「東北UPプロジェクト」(以下、当事業)の第三者評価業務を受託し、実施致しましたので、その結果を公開致します。

当事業の評価業務は、日本マイクロソフト株式会社(以下、MS社)の「ITを活用した東北就労支援プロジェクト」の成果を評価しました。具体的には、ステークホルダーの変化から当事業の成果を可視化し、その成果を貨幣換算化した上、かかった費用と貨幣換算化された成果を比較し、費用対効果を測定しました。その評価方法は、欧米でソーシャルビジネスのパフォーマンスを測る手法(経済的収益に加えて社会的収益にも着目し、事業を評価する)として活用されているSROI(Social Return On Investment)を採用しました。

MS社は、日本の企業で初めてSROIを用いて社会貢献事業を評価しております。社会貢献事業の評価は、ステークホルダーのアンケートや有識者からのコメントを受けることが多いですが、MS社では、社会貢献事業と言えどもPDCAを強く意識しており、投資額に対してどの程度社会的便益があったのか、を測定してもらいたいと評価の依頼を受けました。

関係者へのインタビューと会議、受講者へのアンケート調査を踏まえまして、当事業を評価した結果、投資額に対しての付加価値は約76百万円、SROIとして4.46倍の効果が確認されました。

SROIを用いてプロジェクト評価を実施することにより、プロジェクト組成時には、意図していなかった効果の社会的インパクトが大きかったことが確認され、プロジェクトの波及効果が大きくなったが明確になりました。また、MS社から「社会貢献事業のマネジメント改善のヒントも見つかった」との発言がありました。

当事業の第三者評価報告書のサマリーはこちらからご覧ください。 ⇒ 『東北UPプロジェクト第三者評価報告書サマリー20130314

報告書本編はこちらからご覧ください。 ⇒ 『東北UPプロジェクト第三者評価報告書20130314

当事業の第三者評価やSROIについてのお問い合わせは、こちらからお願いします。

 

母校の同窓会「有朋会」主催の実学サロンでの講演

投稿日時:2013年03月04日 12:51

友田景です。

母校の流通科学大学の同窓会「有朋会」主催の実学サロンにお招きいただきましたので、スピーカーとしてお話させていただきました。事後で知ったのですが、事前にこんなふうにご紹介頂いておりました(笑)。

テーマは、私のキャリアが一風変わっていることから「キャリアについて話して欲しい」と担当の教授から命を受けまして、『大卒フリーターからのキャリアの歩み方 ~Whatではなく、HowやWhoを軸に考えた、テニスコーチ→市議会議員→コンサルタントの道のり~』とさせて頂きました。高い就職決定率を誇りにしている母校の学長の前で、就職が決まらずに卒業していった僕がまさかキャリアの講師をするとは思ってもみませんでした(笑)。

ざっくりと言えば、仕事を選ぶときに会社で選ぶ他に色々と選択肢があるのではないか、ということです。キャリアの話だったためか参加者は在校生が多く、どこで働くのかより、どんな人間になるのかや、どうやってやるのか、誰と一緒に働くのか、そんなことも考えながら仕事を選ぶことを考えてもらいたいとメッセージをしました。

これまで関わってきた地方政治の話、CSRやソーシャルビジネスの話を題材にして、話をさせて頂きましたが、うまくコンパクトにまとめられなかったのが少し反省点です。次回のリベンジの場を設定してもらえれば、是非お引き受けさせて頂きます!

 

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