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投稿日時:2008年12月03日 10:30
日経CSRシンポジウム「企業価値を高めるCSR経営」に昨日(12/2)出かけてきた。会場のJAホール(東京・大手町)は古いタイプのホールだけに足下が狭く、ふくらはぎが鬱血していくのを実感した。エコノミー症候群・・。それはともかく、最大454名収容のホールは満席。CSRへの関心の高さがうかがえた。・・といってもその関心の角度は様々であろう。基調講演者の伊藤邦夫氏(一橋大学商学研究科教授)はCSRには「3つのレイヤーがある」と言っていた。三角形を三層構造にしたチャートの最下層に「コンプライアンス」、中層に「企業倫理」、最上層に「社会貢献」。なるほど、わかりやすい。法律だけ守ってりゃいい、いや法的義務がなくても企業市民として自発的に社会問題解決に寄与するべきだ、いやそれに留まらず、社会への直接的な関わりもって社会貢献に取り組むことが求められるのである。そういう意味に解釈した。CSRの研修等ではしばしば事例として取り上げられているマラリア防止のためのオリセットネット(住友化学(株))を例にとり、本業で社会貢献するのが最適解である、といった主張もされていた。ただし、ここで気を付けなくてはならないことがある。本業で社会貢献するというのは、「社会的に価値のある商品を提供する」ことそれ自体のことではない、ということだ。何らかの商品・サービスを提供するにあたって、その売り上げやレピュテーション、ロイヤリティをより向上させるうえで効果的な社会貢献活動に“経営行為の一環”として取り組むということである。オリセットネットとCSRないし社会貢献との関係のポイントは、オリセットネットがマラリア防止に優れた商品としてWHOに推奨されているということそれ自体ではなく、オリセットネットを現地生産することで現地雇用を生み出し、売上の一部を現地の教育環境整備に当てたりしているところにこそある。そうすることにより、同時に生産・物流コストを抑制したり、将来の消費市場を育成したりしているという点に経営的価値があるといえるのだ。伊藤教授の講演は比較的丁寧にその点を説明されていたが、続く特別講演やパネルディスカッションを聞いていると、「うちは本業で社会に役立っているから十分社会に貢献している」という解釈を誘ってしまいかねない内容のように感じてしまった。これじゃあCSRシンポジウムの意味が薄れてしまう。
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