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多様性③

投稿日時:2008年12月18日 09:19

2010年は国連・国際生物多様性年である。名古屋では、生物多様性条約締結国会議が開催される。生物多様性とは、生物の遺伝的多様性、種の多様性、生態系の多様性を意味するとされている。この多様性が損なわれることで、文明は取り返しのつかない脅威にさらされることになる。そもそも人間の文明も、数え切れないほど多様なローカル文化によって構成されていたはずである。直近のもっとも大きな文明的エポックは1760年代に始まった産業革命だと言ってよいだろうが、このことが文化の多様性の崩壊と均一化のはじまりだったと言える。そして、その背景にはグローバル化というパラダイムがある。米国の経済危機がなぜこれほどまでに世界中に脅威を与えるのか(今朝のニュースでは1ドル=87円!)。それは経済システム、生活様式といった文化の多様性が崩壊しているからである。交換の手段でしかないはずの貨幣に唯一最大の価値を与える。しかも一実験国家である米国のローカル通貨=ドルを世界の基軸通貨として認証する。自然人と同様に本来社会的存在であるはずの法人(株式会社)から社会的責任(CSR)を免除して株主利益を最優先すべきであるとする株主資本主義を最高の経営と賞賛する。少なくとも先進国の社会経済システムはこうしたグローバルスタンダードで均一化してきた。日本国内における限界集落の発生原因も根本的には同じである。実は、このことに多くの人が気づいている。産業革命以来約250年の時を経て、いま人間は大いに反省しつつある。そして、明示的に、また暗黙に「多様性」を取り戻そうとしている。その動きはまだまだ多数派にはなっていない。しかし、間違いなくこれは多数派になる。これは必然である。問題は、どのくらい時間をかけることが許されるかだ。その見極めをしたうえで「多様性社会」へのパラダイムシフトを戦略的に進めていくことがぼくたちの使命なのだろう。

 

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